アート・ヒステリー 大野左紀子著

アートを紐解く上での妙著です。アートを外側から見てばっさりと解析し、心理学から時代考証まできちんと論拠も踏まえ、わかりやすく書かれています。アート・ヒストリーならぬアート・ヒステリー、駄洒落か?過激な告発か?と思いきや、内容はまじめで客観的。

著者はかつてアーティストであり、美術教育にも関わりながらその経験を踏まえ、「アートから距離を置いたところ」から論じたとおっしゃられているが、その視点が現代日本のアートの状況を見透かしています。アートが解らないと思われている方にも、一般教養としてお勧めできます。

「アートから離れたところ」から「アート」が分かるのか?という反対意見も多いでしょうが、「むしろ外からの方が、客観的に良く見える。」というのも本当。なにより内部の人間であれば、言いにくいところがあります。今、アートは希望や可能性の代名詞とされていますが、実際は誤解や無理解、世相の変化、流行からねじれて、結構ややこしい状況です。この本は、「アート」というものを整理して考えていくために、いい参考になると思いました。
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by isaotoshimori | 2013-03-18 15:13 | アート