草枕

智に働けば角が立つ。状に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は生きにくい。住みにくさが高じると、安いところに引き越したくなる。どこに越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画が出来る。夏目漱石「草枕」の冒頭です。

現在、東京で草枕生活しているのですが(もちろん野宿ではない)、最近この文章がどうしても気になっていまして、本を買いました。漱石曰く、近大は自由な自我(エゴ)を獲得することと引き換えに、内面的孤独を持たざるを得なくなった、そうです。

エゴは、良いも悪いもなく、生まれてから死ぬまで引き受けて行かざるを得ないものです。近代以降、エゴはどうなっていったのでしょう。ますます剥き出しになって、ますます孤独の闇が深くなっていったのでしょうか?件の惨禍も、巨大なエゴイズムが産み出したと言えなくもないのでは?

私の作品のテーマは、水であるとともに、エゴでもあります。水はニュートラルな存在であり自然ですので、対照的に浮かび上がるものは、自分を含めた「エゴ」の存在なのです。
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by isaotoshimori | 2013-09-18 11:15 | 日日に