プライベート・ユートピア ここだけの場所

久しぶりに岡山県立美術館に行った。巡回の現代アートコレクション、タイトルは「プライベート・ユートピア ここだけの場所」。一見地味だが、それぞれ「噛めば噛むほど味が出る」と言った作品揃い。さすがブリティッシュ・カウンシルのコレクション!

別に派手で大きな作品でなくても、十分評価される土壌があると判った点、ブラック・ユーモアや、それぞれの個人的な世界観から紡がれる「物語」は、アートの大切な持ち味であるという点、収穫だった。「おしりをバットでぶっ叩いて、どっかん!」という笑いも好きだが、ブラック・ユーモアのじわじわ沁みてくる笑いも面白い。映画祭でも、ハリウッドとカンヌでは趣向がかなり違うのだろう。アートフェア会場で早朝動物を放してその行動を追いかけたり、隕石を熱してイギリスの地図を焼いたり、イギリスもまた魅力的に辛辣だ。

こういった現代アートに抵抗を持っている人に、こういう見方はいかがだろう。知的ゲームを楽しむように、現代アートを見るというやり方。子どもが「なぜ?なぜ?」というように、「何を考えているの?」「どうしてこういう表現をしたの?」と思うと、その作家の考えや環境が少しずつ入ってくる。我女房も「わからない。」とか「考えるのがいやだ!」とか言っていたが、どうも大人は色々先入観があって子どものように素直に「なぜ?」と思えないのかも知れない。でも作家の背景、作品の背景は、どうなのだろうと好奇心を湧かせてほしい。社会は様々な考えを持つ人がいて、色々な階層があって、作品を通して我々が暮らしている日常とは違う世界を垣間見せてくれる。知的好奇心は、自分の意識に新鮮なものを吹き込んでくれる。知的エンターテイメントとしての現代アート、いかが?
[PR]

by isaotoshimori | 2015-01-16 16:49 | アート