スピリッツ

大地を踏みしめ、そこから伝わって来たエネルギーが人々の声としてほとばしるような、スピリッツに触れたのは久しぶりのことだ。台湾で貰ったCD「Mystic Chants of the Bunun」は、布農族と言われる部族、原住民と呼ばれる台湾に太古くから暮らしている人々の歌を集めたものだ。ゴスペルにも似ているし、ウォー・クライにも似ている。

台湾にはそのような部族がたくさん住んでいる。台湾、対中震災の1年後、台湾に滞在した私は、少なからず色々な部族の暮らしに触れた。経済的なものでは無いけれども、彼らの暮らしぶりからは何かしら豊かさを感じることが出来た。あれから15年、歌い手は世帯交代したかも知れないが、彼らはまだ歌い続けているに違いない。アーティストは欧米を目指す人が多いが、私は生々しいスピリッツに触れる機会が持てて、逆に幸運だったと思った。

私は少し変わった経験を持っている。幼い頃四国巡礼を、青年期まで4回もした。スピリッツに対する私の思いは、そのことが影響しているらしい。ギリシャ正教の聖地アトス山も訪ねた。曹源寺蝋八大接心にも参加した。その後浄土真宗の坊主になったこともある。今は落ち着いて普通のオヤジだが、今回共通するものがあると感じられた。自分が大地であり、大地が自分なのだ。残念ながら、その思いを直ぐに忘れてしまう。

スピリッツは、大きくおおらかで優しい。スピリッツは、祝祭であり祈りであり、元気だ。しかし最近気になる話題を聞いたことがある。ある盆踊りでは、ヘッドホンをして無音でするところがあるらしい。なんと「騒音の苦情」が来るからだそうだ!この国のスピリッツはどうなってしまったのだろうか?

そして富と命の奪い合いは、そのようなスピリッツと反するものだ。この国のトップは、また当初のように「景気」「経済最優先」と喧しい。万人受けするからか?またしても、我々はその言葉にコロリと参ってしまうのか?Win ×Winの関係で、それほど儲かることはない。どこから何で設けるのか、この流れから考えると軍事関係か?祈りや優しさとは反対の、暗さが拡がっていく。
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by isaotoshimori | 2015-09-23 10:39 | 日日に